(2014.2.25 放送)

ドラマ『奇皇后』第33回

「キ氏を殺しなさい!」

(기씨년을 죽여라!)


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1.
http://www.mydaily.co.kr/new_yk/html/read.php?newsid=201402260551501115&ext=da

タファンはスンニャンを床に横たえると「そなたが欲しい」と顔を寄せた。

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しかし、抗うこともしないがタファンを受け入れる様子もないスンニャンを見て、タファンは身を起こした。そして立ち上がると、「待とう。そなたが私を先に抱くその日まで。そなたをそばに置いても私はとてもそなたが恋しい」と吐露した。

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しかし、スンニャンは「今陛下は皇権を取り戻すことだけを考えなければなりません」と冷静に返した。それでもタファンは「私をこのようにしたのはそなただ。 だから私を長く待たせないでほしい」と言うと、スンニャンを帰した。

天幕の外では宦官のパク・プルファが待っていた。スンニャンが複雑な顔をしているのを見たプルファは「何か心配事でもありますか」と尋ねた。するとスンニャンは「少し怖くなりはじめた」と、タファンに対する自身の心境を表わして深いため息を吐いた。





2.
スンニャンがタファンに抱えられるようにしてタファンの天幕へ向かうのを見ていたタナシリはタンギセの元へ行き、悔しさを訴えた。そしてスンニャンを殺す準備はできているかと問うと、タンギセはヨンチョルに命ぜられ、スンニャンだけではなくタファンも殺すと話した。

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タンギセから二人を殺すように指示を受けた怯蒒隊長のヨム・ビョンスは部下を引き連れ夜中に山に入ると、部下に二人を捕える罠を仕掛けさせた。ビョンス達の後をつけてきたワンユの家臣達は、大がかりな仕掛けの罠に驚いて一体どんな獲物を捕らえるつもりなのだと考えた。ヨム・ビョンスは罠を仕掛け終えると、罠の作動と毒矢を確認して宿営地へ戻った。彼らが去るとワンユの家臣達は彼らの仕掛けた罠を全て解体して回った。

宿営地に戻ったビョンスはタンギセに、明日の狩猟大会でタファン達が行く予定である千馬路付近、30箇所に罠を仕掛けたと報告した。





3.
翌朝、スンニャンがタファンの元にやって来ると、タファンは「今日は狩りに集中しよう」と言って、昨晩の出来事について話すのを避けた。スンニャンがタファンの言葉を受けて、「昨日の速駆け競争は陛下の負けでしたからね」と言うと、ゴルタが「陛下が勝ったと仰いませんでしたか」とタファンを見た。するとタファンは気まずそうに慌てて、「今日が本当の試合だ。誰よりも大きな奴を捕まえるから、見ていろ」と言った。


狩りが始まり、スンニャンとタファンは昨晩ヨム・ビョンス達が仕掛けた罠のある場所までやって来た。彼らが来るのを先回りして、隠れて待っていたタンギセらは二人が罠に掛かるのを固唾を飲んで見守っていたが、二人が罠の上を通っても罠は作動しなかった。


スンニャンとタファンは異なる場所に獲物がいるだろうと予想して、獲物を捕らえたら戻ることを約束して、二方向へ別れて進むことにした。

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ワンユ達は石に付いた血痕を頼りに獲物を捜していた。するとその途中で草の生い茂った場所に怯蒒兵たちが張り込んでいるのを見つけた。

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家臣らがこれを見て、「昨晩彼らがこの辺りのあちこちに沢山の罠を仕掛けていた」と話すと、ワンユは「罠を仕掛けているのであれば、これほど多くの人を張り込ませるのはおかしい」と言った。これにシヌが「たしかに人がいれば獲物は寄りつかない」と合点して続けた。やり取りの最中にワンユはヨンチョルが「良い見世物がある」と話していたことを思い出していた。そして家臣からスンニャンとタファンが狩りに向かった千馬路付近に罠が多いと聞くと、ヨンチョルの獲物がスンニャンとタファンであることに気が付き、スンニャンの命が危ないと言って千馬路へ急いだ。

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4.
スンニャンが罠に掛かって死ぬのを見ようと、タナシリも先回りして、スンニャンが来るのを待っていた。都合よくスンニャンは一人でやって来たが、罠の上を通っても罠が作動しないので、タナシリは直接毒矢を持って出た。

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タナシリは後ろを向いたスンニャンに向けて矢を放った。矢はスンニャンの横を通過し、スンニャンはタナシリに気が付いた。タナシリの号令で怯蒒兵たちが自分に向かって来るのを見てスンニャンは駆け出した。


追っ手を振り切るのは難しいと判断したスンニャンは片箭を撃って、追っ手を倒していったが途中で片箭が底をついてしまった。

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タファンは大猪を捕まえ、スンニャンと約束した場所へ戻り、スンニャンを待っていた。そこへ慌てた様子の后宮たちがやってきて、怯蒒兵達がキ才人を追って殺そうとしていると伝えた。これを聞くとタファンは直ぐに駆けだした。





5.
http://star.mt.co.kr/view/stview.php?no=2014022522512433274&outlink=2&SVEC
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2014/02/26/2014022600149.html

片箭が無くなり追い詰められたスンニャンは木の後ろに隠れ、追っ手が自分に接近するのを待って短刀を投げた。
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短刀が命中し追っ手が倒れると、タナシリが再び現れ、弩を撃った。矢はスンニャンの頬を掠めた。
スンニャンが驚き、振り返ると

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お前のような卑しいものが
やってくれたものだ



と言って冷やかな笑いを浮かべ、再び弩を構えた。

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私は言ったはず
獲物を捕らえることで
皇居に私に敵う者はいないと


と話しながらスンニャンに近づいた。

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私を殺すつもりですか

目撃者もいない
この辺鄙な山奥でお前が死んでも誰も気付くまい

では早く弓を引いてください

何だ、早く死にたいのか
お前の思い通りにはできない
ゆっくりと息の根を止めて
お前の苦しむ姿をこの目で眺めて堪能するのだから


考えたことはなかったろう
陛下の承恩を受けた対価がこんなに苛酷なものだとは




今死んだところで私には後悔することがない
陛下が毎晩私を抱いて、何を話されているのか
ご存知ですか


私がこの国の本当の皇后だと


何?

タナシリを女だと思っていない
ただ内命婦の飾りに過ぎない抜け殻だと


黙りなさい!


タナシリは激怒して弩の引き金を引こうと指をかけたが、怒りに手が震えて上手くかからなかった。これを見てスンニャンは更に挑発した。

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皇帝は皇后の顔を見たくないないだなんて
とても哀れで、本当に可笑しいことだ


黙れと言っているんだ!

私を殺しても何も変わらない
一生皇帝の寵愛は得られない
死んでも愛が足りなくて 天空を漂うだけ


その口を引き裂いてやる!


タナシリは引き金を引いた。矢はスンニャンに向かって放たれたが、スンニャンはそれをかわした。するとタナシリは短刀を掴み、スンニャンに向かって来ると振り回したが、スンニャンはこれを容易に防いで、刀先をタナシリに向けた。

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私はこの国の皇后だ
私を殺して無事でいられると思うのか

刀を下ろせば
お前を見逃してやる


スンニャンはタナシリの言葉を聞かず、短刀を奪って頬を殴った。タナシリはその場に尻をついて、刀を持つスンニャンを見上げ、後ずさった。

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お前に私は殺せない

目撃者もいないのだから
お前が死んでも誰も気付くまい
お前が始めたこの戦いを私が終わりにしてやろう



助けて 助けてくれ


スンニャンが本当に自分を殺そうとしていることが分かったタナシリは怯えて後ずさり、木に寄りかかった。スンニャンはタナシリの胸倉を掴み、引いて立たせると、短刀を喉元へ突きつけた。

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お願いだ 助けてくれ
殺さないで、助けて


タナシリは震えて命乞いをした。

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お前は罪のないパク才人と高麗出身のムスリを
あのように残忍に殺した

お前の命は貴く、彼女たちの命は卑しいと言うのか!




私が間違っていた
お願い 私を許してください

お願い 許して、
キ才人、殺さないで



黙れ!


スンニャンは叫ぶと、タナシリの喉元に突きつけていた短刀を構えた。そして


お前には死は軽すぎる罰だ
生かしてやろう
お前は生きながら
、死よりも酷い苦痛を骨に凍みるほど感じるのだ

私がお前を
必ず懲らしめてやる



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スンニャンは言い放つと、短刀を振り上げタナシリの顔の横の木の幹に突き立て、去った。
タナシリは恐怖に座り込んだが、直ぐに激しい憤怒で目を光らせた。






6.
http://star.mk.co.kr/v2/view_arts.php?no=307640&year=2014

スンニャンは狩り場を通り抜け、タファンと待ち合わせる場所へ向かっていた。スンニャンは自分を呼ぶタファンの声を聞き、タファンを見つけると安堵して、「陛下」と呼んで足を出した。すると足がヨム・ビョンスが仕掛けた罠のロープにかかり、頭上から網が落ちてきてスンニャンは身動きが取れなくなってしまった。

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タファンは慌てて駆け寄って網を外そうとしたが、網を動かすことでロープが引かれ、接続されていた毒矢が発射された。タファンは瞬時にスンニャンを包み込んで守ったが、腕に毒矢を受けてしまった。

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スンニャンはタファンを心配したが、タファンは自ら腕の矢を抜くと、「大丈夫だ、そなたが無事で良かった。ヤンイ」と自分の怪我よりもスンニャンの無事を確認しスンニャンを気遣った。

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これを隠れて見ていたヨム・ビョンス達は作戦が失敗したことが分かると、自分の手でスンニャン達を殺そうと飛び出してきた。パク・プルファとゴルタらがビョンス達の相手をするうちに、スンニャンはタファンの腕を取り逃げたが、直ぐに別の怯蒒兵が現れ、追われることになった。

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7.
http://osen.mt.co.kr/article/G1109793419
http://star.mk.co.kr/v2/view_arts.php?no=308182&year=2014

ワンユはスンニャンがタファンを連れ、追っ手から逃げるのを見つけた。ワンユは剣を抜くと、スンニャンに向かって走って行く怯蒒兵の前に立ち、行く手を阻んだ。「大丞相の命を受けた」と、皇帝とキ才人暗殺の協力を要請する兵に、ワンユは「追うならば先ず私を殺すことだ」と応え、怯蒒兵に向かって行った。

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スンニャンとタファンは追っ手を逃れたが、毒矢を受けたタファンは身体に毒が回り、動けなくなってしまった。スンニャンが様子を尋ねると、視界が霞んで、身体が冷たいと答えた。スンニャンはこれを聞いて、タファンの顔に血の気が無いのを見ると腕の傷を確認した。すると傷の周りが毒で変色していた。

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スンニャンは直ぐに毒を吸い出そうとしたが、スンニャンまでも毒に侵されるのを心配したタファンは拒んだ。スンニャンはタファンが止めるのを聞かずに毒を吸い出したが、タファンはついに気を失ってしまった。




ワンユ達が軍隊と戦うのをスンニャンを追って来たタナシリが見つけた。タナシリはワンユが自分達を裏切ったと知り、弩を構えた。


多勢に無勢な闘いでワンユ達は満身創痍だった。特にワンユの受けた傷は深く、立っていることさえやっとだった。チェ・ムソンがワンユの元に駆け寄ると、ワンユは「決して彼らにスンニャンを追わせてはいけない。たとえ死んでも絶対に防がなければならない。分かったか」とスンニャンを命を掛けて守ると言った。

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ついにワンユ達は兵に取り囲まれてしまった。ワンユはタナシリが自分に向けて弩を構えるのを見た。

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タナシリは弩を引こうとしたが、どうしても引くことができなかった。するとそこへヨンビスとマクセン(チョコ)がワンユの加勢に現れた。タナシリはヨナに促されその場を離れた。




スンニャンは意識が遠のいていくタファンを揺り動かして励まし続けていた。そこへゴルタらがやって来た。スンニャンはタファンが毒矢を受けたのだと話すと、ゴルタ達はタファンを抱えるようにして山を下ることにした。

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8.
ヨンビスらの助けを借りて追っ手の怯蒒兵を全て殺すと、家臣らはワンユの傷を見た。

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出血がひどい
下山して早く止血しなくては


ぺガン将軍には知らせたのか


今軍隊を率いてやって来るところです


余裕はありません
私の背に乗ってください


未だ歩ける

私は大丈夫だ
それよりスンニャンが無事かどうか分からない

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今はスンニャンの安否を気にしている場合ではありません

今は殿下ご自身の事を考えるべきです

このままでは殿下の方が先に死んでしまいます



自身が瀕死の状態にあってもスンニャンの安否だけを気にするワンユに家臣らは涙を流して訴えた。





9.
皇帝とキ才人暗殺に失敗したヨム・ビョンス達がヨンチョルに詫びているところへ、タファン達が下山して戻ってきた。ビョンス達は直ぐに一行を取り囲んだ。ヨンチョルはタファンに近づくと「陛下は何か御加減が悪いようだ。陛下、私が直ぐに貴方に相応しい場所に送って差し上げよう」とタファンを自ら殺すことを仄めかして笑った。

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するとそこへワンユから知らせを受けたぺガンが軍隊を連れてやってきた。ぺガンはヨンチョルにタファンを渡すように言ったが、ヨンチョルは拒んだ。

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しかしスンニャンが「もし陛下が大丞相の元で亡くなれば行省主達は大丞相を疑うだろう」と言うと、ヨンチョルはタファンをぺガンに引き渡した。

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タファンとスンニャンを連れぺガンらが下山すると、ヨンチョルは今回の暗殺計画の証拠となるものを全て消すようにタンギセに指示した。





10.
http://star.fnnews.com/news/index.html?no=278827

タファンは皇居に戻った後も意識が戻らない状態が続いた。解毒の煎薬すら飲むことができず危篤な状況に置かれていた。

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タファンの傷口から毒を吸い出した際に、毒を摂取してしまったスンニャンも一日半の間目覚めなかった。スンニャンは目覚めるとパク・プルファにタファンの様子を尋ねた。プルファは沈痛な表情でタファンは今も意識不明であると知らせた。これを聞くとスンニャンは直ぐに「陛下の元へ行く」と言って身支度をさせた。



ワンユはヨンチョルに呼ばれ皇居を訪れた。ワンユが傷口を手で押さえているのを見た家臣らはワンユを心配した。そこへタファンの元へ向かうスンニャンがやって来た。

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どうして皇居にいらっしゃるのですか

大丞相が私に会いたいと

大丞相は今謀逆の疑惑を受けています
ややもするとワンユ公にも疑いが及ぶ場合があります
どうかお気を付け下さい


私たちは互いに自分の道を行こうと言いませんでしたか
関心であれ心配であれ
貴女様が私に干渉なさることはお断りする



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スンニャンが自分を気遣う言葉を、ワンユは冷静に拒絶すると席をはずした。
スンニャンは立ち去るワンユを振り向いて目で追った。するとプルファは「これ以上ワンユ公に関わられませんよう、最近ヨンチョルとの仲がかなり緊密になっているそうです」とスンニャンに告げた。

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ワンユは数歩進んだところで傷が痛み、服の上から傷に触れると傷は再び裂け出血していた。これを見た家臣らが心配な様子で彼に声を掛けると、ワンユは「スンニャンが見ている。声を出すな」と言った。






11.
http://reviewstar.hankooki.com/Article/ArticleView.php?WEB_GSNO=10169748

タファンの元へやって来たスンニャンは、皇太后からタファンが煎薬も飲み下すことができないと聞くと、「私がいたします。私を救おうとなさって陛下はこのようになられました。必ず私の手で陛下をお救いいたします」と言って、臣下を下がらせた。

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皇太后はタファンをスンニャンに任せて部屋を出ると、スンヨンから、行省主達が知らせを受けて直ぐに皇居にやって来ることを聞いた。皇太后は「目撃者がいれば、今回は大丞相とて逃げられはしないのに」と言った。ぺガンはこれを聞いて、謀反が判れば自分が直ぐにヨンチョルの首を落とすと話し、タルタルはヨンチョルが以前のように軍を動かすことがあるかもしれないと、自分たちの兵力を大明殿周辺に潜伏させておくと話した。


臣下が全て下がるとスンニャンはタファンの寝床に座った。

スンニャンはタファンの口に煎薬をすくって入れて「煎薬を飲まなければなりません」と切なく話したが、タファンはやはり煎薬を受け付けなかった。

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するとスンニャンは自身の口に煎薬を含み、タファンに口を合わせて、煎薬を飲ませた。スンニャンは自分の為に命の危機に瀕するタファンを思い、込み上げる感情に涙を流して、煎薬を飲ませ続けた。

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12.
タファンの病が重い渦中にもヨンチョル一家は自分たちの謀逆罪を覆うために忙しかった。
ヨンチョルはワンユを呼んで、行省主たちの前で目撃者として証言してほしいと頼んだ。ワンユは先にヨンチョルがどんな策を考えているのか尋ねた。


謀反のあらゆる証拠を消し、
不安なく過ごすことが上策

謀反を起こしたと追い詰められ
やむなく自分の手足(となる人)を
断つことで阻止するのが中策

最後は資金を動かして、
血を見るまで混乱させることが下策だ



行省主達が手を組んで貴方に対処するなら
下策を用いれば面倒になるでしょう



遠くにいる敵は怖くない
恐ろしいのは身近にいる敵だ
だから私は都城守衛隊を持っているのではないか


最悪の状況に備えて
私達は都城守衛隊の召集準備をしている


下策を用いるのは私も望まない
だから私達の為に証言してくれ



ワンユはヨンチョルの元を辞すと、パン・シヌにヨンチョルの計画をぺガンに伝えるように指示した。そこへタナシリがやって来た。

タナシリとワンユは二人きりで面談した。タナシリが、ワンユが裏切ったのはスンニャンを愛しているからかと尋ねると、ワンユは否定した。そして昔、タンギセに射られ生死の境をさまよった時に部下であったキ才人が自分を助けてくれたことを話し、その道義を返すだけで今は自分たちの間には何もつながりはないと話した。タナシリはこれを信じなかったが、ワンユは信じようが信じまいが自分は信念を貫くまでだと告げて席を立った。するとタナシリは、ワンユがヨンチョルを助けなければ、キ才人が死ぬ時にはワンユも死ぬだろうと、ワンユの裏切りをヨンチョルに伝えることを仄めかした。

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タンギセはこの事件を怯蒒が単独で行ったものだとヨム・ビョンスらに証言するように命じた。





13.
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大殿には一同が集まって、謀反の嫌疑がかかるヨンチョルが来るのを待っていた。暫くしてヨンチョル一行が入って来た。スンニャンはその中にワンユがいるのを見て驚いた。

皇太后はヨンチョルに何故皇帝とキ才人を殺そうとしたのかと尋ねると、ヨンチョルは白を切った。そしてヨンチョルはスンニャンに、誰が陛下を弑逆しようとしたのかと尋ねた。スンニャンが怯蒒だと答えると、スンニャンが怯蒒に追われるのを目撃していた后宮も怯蒒がキ才人を殺そうとするのをはっきり見たと証言した。
ヨンチョルはこれを聞いて、その中に自分や子供たちがいるのを見たのかと問うと、自身が首謀者を連れてきたと言って、ヨム・ビョンスを連れて来させた。

一同の前に連れ出されたヨム・ビョンスは、「全ては私が整えたことです。 私が狙った人は皇帝陛下でなくキ才人でした。 陛下はその渦中に犠牲にあわれたのです」と偽った自白をした。続けて「キ才人は貢女として引っ張って来た私に怨恨を持っていました。 才人に冊封されて私に復讐しようと先に刃物を取り出したのです」と説明した。
スンニャンはこれに激怒したし、行省主らも全く信じなかったが、タンギセが「ヨム・ビョンスとキ才人は二人ともワンユ公の部下でした。ワンユ公ならば事実を確認させてくれるでしょう」と話し、ワンユを見ると、「おっしゃってください。ヨム・ビョンスの言葉が事実なのか」と尋ねた。するとワンユは「一寸の偽りもない事実です」と偽った証言をした。 ワンユの証言が信じられないスンニャンはワンユを見た。スンニャンの視線に気付いたワンユもスンンニャンの方を見たが、その顔には何の感情も見つけられなかった。

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タファンはようやく目を覚まし「ヤンイ、ヤンイは何処だ」とゴルタに尋ねた。

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ヨム・ビョンスが連れて行かれると、ヨンチョルは事件は解決したと話し、その場を締めようとした。するとタナシリが、「未だ終わっていない。皇帝陛下がこのようになられたのは、キ才人と護衛宦官に責任がある」と言って、タファンの安危を守れなかったことを罪としてスンニャンを捕えるように命じた。兵に両腕を掴まれ連行されることになったスンニャンはワンユの前まで行くと、兵の手を振りほどいて立ち止まり、ワンユを批難する目で見つめた。

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